地域文化財研究所
地域・地場産業振興研究拠点
文化財を未来へ伝え、地域づくりへ活かす
所長 中村琢巳(建築学部 建築学科 准教授)
登録有形文化財や歴史的町並みといった身近な地域文化財の保存活用は、文化的価値の評価・保存という文化財学のアプローチだけでは少子高齢化、空き家、防災といった地域課題にこたえられない現状があります。建築史、防災計画、環境保全、映像学、歴史資料学といった異分野融合と地域連携を重視し、「文化財の価値を守り、未来へ伝え、持続可能な地域づくりへ活かす」という複合新領域の形成を目指すプロジェクト研究所です。
- キーワード
- 地域文化財、歴史的建造物、保存活用、文化財防災、地域防災、環境保全、環境生態工学、環境教育、町並み学習、映像学、歴史資料学、東北文化史、日本建築史
地域文化財研究所
歴史ある建物を未来へ伝える保存修復と活用
研究内容
- 歴史的町並みの価値を継承し、防災性能を高める「文化財防災」
文化財の保存と防災は相反する面が多くあります。伝統木造建築の文化的価値の特性が、自然災害に対して脆弱な要素となりうるからです。伝統建築固有の価値や地域の生活文化の継承に基づく、地域の方々や自治体と連携した文化財防災の計画提言に取り組んでいます。
【研究フィールド:青森県弘前市】 - 文化財修復と自然環境保全をつなぐ「SDGs環境学習」
生物多様性の場であるヨシ原から茅葺き民家の修復資材が供給されるように、文化財保存修復は、自然環境保全のうえに成り立ちます。こうした自然環境保全と豊かな地域文化財の双方が継承される北上川流域を対象として、「歴史的町並み」と「自然環境保全」を融合したSDGs環境学習プログラムを実践します。
【研究フィールド:宮城県登米市】 - 歴史的町並みの価値を発信する地域連携型の「映像学」
歴史的町並みやそれを守り活かす地域の人々の取り組みをテーマに、映像制作に取り組むプロジェクトです。作品づくりそのものとともに、それら魅力発信の映像を地域づくりへ活かすメディア活用の方法論の開拓も視野としています。
【研究フィールド:宮城県登米市】 - 「建築史」と「歴史資料学」が融合した文化財の価値評価
地域には絵図や帳簿、職人の記録といった歴史的建造物ゆかりの史料も多く伝存し、歴史資料学からの文化的評価、ならびに建造物と歴史資料を総合した保存活用計画も求められています。歴史資料学と建築史が連携し、文化財の価値を新たな視角から評価し、価値を踏まえた展示や保存活用へとつなげていきます。
【研究フィールド:岩手県奥州市・陸前高田市】

弘前市仲町伝統的建造物群保存地区

剪定ワークショップ(青森県弘前市)

ワークショップ(青森県弘前市)



「町並み学習」の実践(宮城県登米市)
令和5年度の研究(または活動)内容
生活環境と一体となった身近な地域文化財や伝統文化は、長い年月をかけて地域で醸成されたサステイナブルな「伝統知」を備え、地域文化財には「持続可能な地域づくり」のヒントが秘められている。本プロジェクト研究所は建築史、地域防災、環境保全、映像学、歴史資料学といった、人文学と建築学、環境学にまたがる異分野融合と地域連携を重視し、「文化財の価値を守り、未来へ伝え、持続可能な地域づくりへ活かす」という複合新領域の形成を目指すものである。…続きを読む
令和4年度の研究(または活動)内容
生活環境と一体となった身近な地域文化財や伝統文化は、長い年月をかけて地域で醸成されたサステイナブルな「伝統知」を備える。すなわち地域文化財には「持続可能な地域づくり」のヒントが秘められている。…続きを読む
- 過去の研究(または活動)内容
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令和3年度の研究(または活動)内容
生活環境と一体となった身近な地域文化財や伝統文化には、「持続可能な地域づくり」のヒントが秘められている。本プロジェクト研究所は建築史、防災計画、環境保全、映像学、歴史資料学といった異分野融合と地域連携を重視し、「文化財の価値を守り、未来へ伝え、持続可能な地域づくりへ活かす」という複合新領域の形成を目指すものである。…続きを読む
メンバー
学内メンバー
- 中村 琢巳(建築学科 准教授)
- 山田 一裕(環境応用化学科 教授)
- 猿渡 学(経営コミュニケーション学科 教授)
- 畠山 雄豪(生活デザイン学科 教授)
- 河内 聡子(総合教育センター 講師)
関連研究テーマ等
科研費テーマ等
令和5年度
- 科学研究費(基盤C)
「茶室と数寄屋の地方色からみた東北の近代和風建築研究」(代表:中村琢巳)
令和4年度
- 自治体受託研究
「弘前市仲町伝統的建造物群保存地区防災計画見直し調査」(中村琢巳)
- 過去の科研費テーマ等
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令和3年度
- 科学研究費基盤C
「明治時代の地方城下町における名匠の作風形成と弟子たちの継承」(中村 琢巳) - 高橋産業経済研究財団研究助成
「城下町エコミュージアムプロジェクトによる町並み保存コミュニティの育成と地域活性化」(中村 琢巳) - 自治体受託研究
「弘前市仲町伝統的建造物群保存地区防災計画見直し調査」(中村 琢巳)
- 科学研究費基盤C
学内公募研究等
令和5年度
- 「塩竈における地域協働型の文化遺産デジタルマップ制作と歴史まちづくりとの連携」(中村琢巳)
令和4年度
- 「登米市伝統文化の映像アーカイブ化」(猿渡学)
- 過去の学内公募研究等
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令和3年度
- 「気仙大工左官伝承館の職人道具アーカイブ研究」(中村 琢巳)
- 「地域の魅力発信のためのメディアの活用研究:みやぎの明治村・登米を中心に」(猿渡 学)
- 「秋岡芳夫の東北地方における産業・文化振興の理念と実践」(河内 聡子)
関連リンク
- 中村琢巳研究室HP(https://www.takumi-lab.com)
- 猿渡学研究室Facebook(https://www.facebook.com/saru0labo)
- 有限会社 熊谷産業(https://www.kayabukiyane.com/)
- 弘前市仲町地区伝統的建造物群保存会(http://nakachou.main.jp/)
- とよま町中ミュージアム(https://www.machinaka-toyoma.com)
- エコミュージアム涌谷(http://www.town.wakuya.miyagi.jp/sangyo/kanko/mesho/rensai/r0207ecomuseum.html)