生業景(なりわいけい)デザイン研究所

地域・地場産業振興研究拠点

この地に向かう生業は先駆。この地で育てる生業景は文化。

所長 大沼正寛(ライフデザイン学部 生活デザイン学科 教授)

地域の資源や環境を活かして価値を生み出す「地技(じわざ)」を再評価し、個々の動きを結びつけながら発展・継承させ、地域固有の美しい景観醸成につなげることを目標としています。このため、地技を用いた生業がおりなす地域固有の景観を「生業景(なりわいけい)」と名づけ、多くの事例を蒐集して、建築・工芸・民俗・生活学などの観点からそのアーキテクチャ(形成構造や育成手法)を考察し、実践的なデザイン研究を進めます。

  • 2030年に向けて世界が合意した「持続可能な開発目標」です
  • 働きがいも 経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • 陸の豊かさも守ろう
キーワード
生業、生業景、デザイン、地技、コアトリエ、地域、資源、環境、衣食住、建築、アーキテクチャ、多世代、共創、ものづくり、農山漁村
生業景デザイン研究所
家と庭と景と|地域らしさを深めるデザイン研究

研究内容

生業景とは、地域の資源・環境や、関連する「つくり手」「つなぎ手」「ささえ手」および「つかい手」が相互に結びつき、「系(System)」をなしている状況を把握するための概念事象です。
いわば「生業景は生業『系』の横顔」と考えることができます。
この観点から当研究所では、地域に根ざした「生業」「景観」の双方を具体的な調査対象とし、特筆すべき生業の場や「つくり手」の技術・技能を事例収集します。また「つなぎ手」「ささえ手」「つかい手」としての一般市民が、地域資源の価値・意義に気づくための学習支援ツールも開発し、多世代で多様なプレーヤーが生業景の醸成につながるしくみを考究します。
以上の観点から、当研究所では基盤となるホームページを開設し、下位に以下4系統のサブコンテンツを位置づけ、それぞれの充実化と定期的な統合検討イベントを開催します。

  • 生業研究(産業・生活文化)
  • 景観研究(建築・地域環境)
  • 地域遺産の活用保全プロジェクト
  • とうほく地技カタログ&マップ
奥に鳥海山を臨む飛島港・鱈の水揚げ風景 奥に鳥海山を臨む飛島港・鱈の水揚げ風景
陸前地方の広域文化的景観を活用保全する「スレート千軒講」 陸前地方の広域文化的景観を活用保全する「スレート千軒講」

令和4年度の研究(または活動)内容

地域の共創様態を創発することを目的とした前年度「宮城県域の地技と資源を活かした小さな多世代コアトリエの創発実践」に対し、実際に「場づくり」を進めるための研究として、地技の再評価につながる生業場およびコモンプレイスの連携・創出についての実践的研究を進めることとした。…続きを読む

令和3年度の研究(または活動)内容

本年は、計2回のリモート会議(6/29, 10/20)を行ったほか、以下の研究活動等を主に実施した。…続きを読む

令和2年度の研究(または活動)内容

当研究所は、地域の資源や環境を活かして価値を生み出す「地技(じわざ)」を再評価し、個々の動きを結びつけながら発展・継承させ、地域固有の美しい景観醸成につなげることを目標とし、地技を用いた生業がおりなす地域固有の景観を「生業景(なりわいけい)」と名づけ、建築・工芸・民俗・生活学などの観点からそのアーキテクチャ(形成構造や育成手法)を探るとともに、各地の取り組みに対してデザイン協力や実践的研究を進めることとしている。2年目は、計5回のリモート会議(6/22, 8/24, 10/28, 12/17, 3/18)を重ねたほか、以下の研究活動等を主に実施した。…続きを読む

令和元年度の研究(または活動)内容

当研究所は、建築、ものづくり、農業、鉱工業、アートなど、地域の資源・環境を活かす技術を「地技」と定義し、地技を活かした生業に着目するとともに、それが周辺環境とどう呼応しているかにも関心を広げ、「生業景」という総体の価値向上につながる場、モノ、組織等の共創・継承デザインについて研究を行うことを目的としている。
初年度となる今年度は、まず前身となった科学技術振興機構・社会技術研究開発センターの助成研究開発プロジェクトを総括しながら、研究の根幹となる基礎概念を整理・確定した。…続きを読む

メンバー

学内メンバー
  • 佐藤 飛鳥(経営コミュニケーション学科 准教授)
  • 中村 琢巳(建築学科 准教授)
  • 岸本 誠司(生活デザイン学科 教授)
  • 菅原  玲(教務学生課)
外部関連メンバー
  • 菅原 香織(秋田公立美術大学 准教授)
  • 佐々木 秀之(宮城大学 准教授)
  • 阿部  正(ノーマルデザインアソシェイツ 代表)
  • 宮本  愛(つながりデザインセンター 事務局長)
  • 田澤 紘子(仙台市市民文化事業団 スタッフ)

関連研究テーマ等

科研費等外部資金関連研究テーマ

令和4年度

  • 科学研究費基盤C
    「明治時代の地方城下町における名匠の作風形成と弟子たちの継承」(中村琢巳)

令和3年度

  • 科学研究費基盤C
    「明治時代の地方城下町における名匠の作風形成と弟子たちの継承」2020-2022(研究代表者:中村琢巳)
  • 科学研究費基盤C
    「ルーラルワークプレイスの基礎的研究—その近現代史と活用保全の要件—」2019-2021(研究代表者:大沼正寛)

令和2年度

  • 科学研究費基盤C
    「明治時代の地方城下町における名匠の作風形成と弟子たちの継承」2020-2022(研究代表者:中村琢巳)
  • 科学研究費基盤C
    「ルーラルワークプレイスの基礎的研究—その近現代史と活用保全の要件—」2019-2021(研究代表者:大沼正寛)

令和元年度

  • 科学技術振興機構・社会技術研究開発センター「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域
    研究開発プロジェクト「農山漁村共同アトリエ群による産業の再構築と多彩な生活景の醸成」2016-2019(研究代表者:大沼正寛)
  • 科学研究費基盤C
    「ルーラルワークプレイスの基礎的研究—その近現代史と活用保全の要件—」2019-2021(研究代表者:大沼正寛)
学内公募研究

令和4年度

  • 「地技の再評価のための生業場とコモンプレイスの連携・創出に関する実践的研究」(代表:大沼 正寛)
  • 「拠点施設における地域産品流通の波及領域とその主成分分析―道の駅津山と道の駅三滝堂の比較を事例に―」(代表:佐藤飛鳥)

令和3年度

  • 「気仙大工左官伝承館の職人道具アーカイブ研究」(中村 琢巳)
  • 「宮城県域の地技と資源を活かした小さな多世代コアトリエの創発実践」(大沼 正寛)

令和2年度

  • 「散居地方の生業景とルーラルデザインの再考―ワーク・ライフ・ジョイの近代と近未来―」(大沼 正寛)
  • 「弘前市仲町伝統的建造物群保存地区における地域協働型の木工看板・展示デザイン」(中村 琢巳)

令和元年度

  • 「生業景の実践課題抽出・みやぎルーラルヘリテージの活用保全」(研究代表者:大沼正寛)
その他
  • 日本建築士会連合会会誌「建築士」連載執筆(大沼正寛・阿部正)

関連リンク