東北景観研究所
気候危機・対策技術研究拠点
所長 不破正仁(建築学部 建築学科 准教授)
本学が所在する仙台・宮城・東北を題材とし、ミクロな生活空間からマクロな都市空間までを展望する。東北には、人と自然が調和して永年持続している魅力的な景観が数多く残されている。一方でそれらの解明が進まず、研究未開の地の存在が多いことが課題のひとつである。これらの題材に多角的に取り組むことは、地域景観価値の再認識に留まらず、地域の魅力の一層の向上や環境変化への適応法など、基礎的知見を得ることに繋がると考えている。
- キーワード
- 民家、屋敷林、農村、農家、町並み、歴史的町並み、伝統建築、景観、景色、心理、環境心理、街路樹、微気候、都市環境、居住者意識、地域防災、地球環境、持続可能性
研究内容
- 東北の農村景観/町並みの魅力やその特質を再評価・再定義し地域に発信。
- 「景観」をキーワードにミクロな生活空間、およびマクロな都市環境を横断的に考察する。
- 都市部の例>中心市街地の街路樹の景観特性を分析し、街路景観と都市環境の再評価を試みる。
- 郊外部の例>都市部と農村部の中間領域的地区である在郷町(=田舎町)の景観特性を分析し、「外通路」の再評価を試みる。
- 農村部の例>農家カフェの空間特性、屋敷林の景観特性、そして、農村の景観と微気候の再評価を試みる。
- 地域資源の抽出・保全によって、地域に現存するものの魅力の再評価・再定義を行う。
- 地域資源を当該地域のみなさんと共有することで、魅力の再認識を促す。
- 地域資源の持続的な保全を検討し、地域観光資源の創出を目指す。
- 新たに付加した要素について、定量的な観測を続け、適切な評価を行う。
- 成果報告>各地の景観調査・景観保全プロジェクトに関わる講演会等の企画と実行。
- 相談協力>景観保全・環境調査に関わる講演会等の各種企画、視察などの相談や助言、協力。
- 初年度の目標>学内外の研究メンバー共同で取り組むことができる研究テーマの検討と、その実践。




令和5年度の研究(または活動)内容
2023 年度は、主に3つの調査・研究活動を行なった。
(1) 農村景観の調査
① 世界農業遺産「大崎耕土」の屋敷林に関する調査
世界農業遺産「大崎耕土」における屋敷林について、生物多様性の担保の観点から、その「緑量」を計測した。なお、これらの成果は「大崎耕土「居久根」保全マニュアル」へ援用され地域への公開還元も進んでいる。…続きを読む
令和4年度の研究(または活動)内容
2022年度は、主に3つの調査・研究活動を行なった。
(1) 農村景観の調査
①世界農業遺産「大崎耕土」の屋敷林に関する調査
…続きを読む
- 過去の研究(または活動)内容
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令和3年度の研究(または活動)内容
<調査・研究活動>
2021年度は、主に3つの調査・研究活動を行なった。
1.農村景観調査
世界農業遺産に認定された「大崎耕土」の農村景観を調査している。本年度は、屋敷林のマクロ分析に加え、現地での実測調査も行った。…続きを読む令和2年度の研究(または活動)内容
<調査・研究活動>
2020年度は、主に3つの調査・研究活動を行なった。
1. 農村景観調査
世界農業遺産に認定された「大崎耕土」の農村景観を調査している。本年度は、屋敷林のマクロ分析に焦点を当て、集中的に分析を行なった。…続きを読む
メンバー
学内メンバー
- 渡邉 浩文(学長)
- 大石 洋之(建築学科 准教授)
- 泊 尚志(都市マネジメント学科 准教授)
- 曹 淼(建築学科 准教授)
外部関連メンバー
- 森山 雅幸(宮城大学 名誉教授、森山アソシエイツ 代表)
- 井上勇二郎(井上建築工房 代表)
- 小山 雄資(鹿児島大学 准教授)
- 山本 幸子(筑波大学 准教授)
関連研究文献
- 『民家を知る旅』日本の民家見どころ案内,彰国社,2020年6月(日本民俗建築学会編)
- 『日本の建築文化事典』 ,丸善出版,2020年1月
- 『民家再生のはじめ方』,西山夘三記念すまい・まちづくり文庫, 2018年10月
- 『都市環境から考えるこれからのまちづくり』,森北出版,2017年7月(都市環境学教材編集委員会編)
- 『関東地方の屋敷林』,中央公論美術出版,2016年2月, 学会賞受賞
- 「選好景観に対する被験者の心理的評価に関する分析」,『日本建築学会環境系論文集』No.618,pp.101-108,2007年8月
関連研究テーマ等
科研費テーマ等
令和5年度
- 科研費基盤研究(A)
「大火からの復興を通してみた近代の町並みの再評価・研究」(分担:不破正仁) - 自治体研究助成
「地域・大学等まちづくり連携・協力支援事業」(不破正仁) - 自治体研究助成
「南三陸における民家再生に関する研究」(不破正仁) - 自治体研究助成
「世界農業遺産「大崎耕土」居久根保全マニュアル作業業務」(不破正仁)
- 過去の科研費テーマ等
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令和3年度
- 科研費基盤(C)
「仙台における都市気候観測網再構築に基づく将来都市気候の統計的ダウンスケーリング」(渡邉 浩文)
令和2年度
- 科研費基盤(C)
「仙台における都市気候観測網再構築に基づく将来都市気候の統計的ダウンスケーリング」(渡邉 浩文)
- 科研費基盤(C)
学内公募研究
令和5年度
- 「3次元モデリングツールを用いた建築物のパッシブデザインに関する研究」(大石洋之)
- 「映像解析技術の精度向上に関する研究」(曹 淼)
令和4年度
- 「3次元モデリングツールを用いた建築物のパッシブデザインに関する研究」(大石洋之)
- 過去の学内公募研究
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令和3年度
- 「東北地方の屋敷林の樹木構成の実態と地域資源としての存在意義」(不破 正仁)
令和2年度
- 東北地方の屋敷林の樹木構成の実態と地域資源としての存在意義(不破 正仁)