レポート

2022年第1回 まちなか美術講座を開催しました

521() 2022年第1回まちなか美術講座「佐藤忠良 三つの傑作の再読」を開催しました。

講師に宮城県美術館研究員の赤間和美さまをお迎えし、宮城県出身の日本を代表する彫刻家「佐藤忠良」の代表作である《群馬の人》《帽子・夏》《おおきなかぶ》についてお話しいただきました。

《群馬の人(1952年)》は、日本人らしい日本人の顔を作ったと初めて高い評価を得た彫刻です。佐藤忠良といえば帽子と女性像を思い出す方も多いと思いますが、《帽子・夏(1972年)》は、イタリア近代彫刻への共感とイタリア具象彫刻の生命感にうたれ、形の操作・視覚の操作・身体の変形による造形美を表した作品。教科書にも登場する絵本《おおきなかぶ(1962年)》は、その媒体によって先生が絵を描き直し、手を加えていたほど思いの深い作品であり、教科書掲載に関するくだんの件では、子供たちのために教科書をつくるという哲学を貫かれた作品でした。

宮城県に住む私たちにはなじみ深い忠良先生の作品について、改めて知ることの多い素晴らしい講義となりました。

今回の講座は本来423日から宮城県美術館特別展『生誕110年傑作誕生・佐藤忠良』の期間中に行われる予定でしたが、今年316日に発生した地震により、現在 宮城県美術館が休館中ということで残念ながら展示会との関連性は薄れてしまいましたが、展示会は来年202324日~326日に会期を変更して開催されます。

宮城県美術館では、2011年に忠良先生が亡くなられたときにアトリエに合った作品全てを収蔵したそうです。来年2月に開催される展示会が楽しみです。