レポート

復興大学 県民講座㉖㉗を開講しました

学都仙台コンソーシアムの復興大学県民講座を11月23日(土)に開講しました。

一昨年から一般の方々にも広く受講できるようになりました本講座では、本年も多彩な講師陣を迎え6科目34講座を開催しました。今回は10月12日(土)に台風19号のため延期となりました講座26・27を今年度復興大学最終講座として開講いたしました。

第26講目「建築に求められる地震時の安全性と地震後の機能性」をテーマに東北工業大学 工学部 建築学科 教授 堀則男 教授にご登壇いただきました。

耐震工学を専門とされている堀先生は、これまでの歴史的大地震とそれに伴い整備されてきた建築にかかわる法律を並べ、地震被害を調査し設計基準を整備することで地震対策が進んできたことを順を追って構造別に図で示し、更に実際に模型を使って検証を行いました。また、災害に備えた企業の事前取り組みである「事業継続計画(BCP)」についてのお話しでは、これからは建物の耐震性・安全性だけでなく、その後に備えた事前の準備をしておくことが重要であると締めくくりました。

第27講目「仙台湾における海岸林再生について」というテーマで、東北工業大学 工学部 環境エネルギー学科 准教授 佐野哲也 先生にご登壇いただきました。

津波によって甚大な被害を受けた海岸林再生事業の現状と課題について、まずはじめに海岸林を3つの視点から説明し、自然の成り立ち、そしてマツとの関わりについてお話しされました。そして津波により海岸林のほとんどが浸水した仙台湾沿岸での海岸林再生方法について2つの方法を挙げられ、その事例として岩沼市の「千年希望の丘」事業を紹介し、樹木が順調に生育していることを写真で確認しました。最後に津波に強い“根張り”の今後の課題と樹木の選定方法の検証を事例を紹介しながら確認し講義が終了しました。

講義終了後は修了式を行い、閉会の挨拶では地域連携センター副センター長でもあります佐野先生が「天災は忘れた頃にやってくる」という寺田寅彦氏の言葉を紹介し、震災の記憶や防災に対する意識も薄れやすい、故にこれからも忘れないために伝承していくことが重要であると述べられ、今年度の復興大学「県民講座」は修了いたしました。

今年度はのべ1327名と沢山の皆様に受講いただきました。約半年間ありがとうございました。来年度は震災から10年の節目の年を迎えます。復興大学事務局では震災について1から見直すとともに、“復興”のこれからについて皆様とともに歩みを進めていきたいと考えております。来年度にご期待いただき、今年度復興大学「県民講座」を修了いたします。

http://www.fukkou-daigaku.gakuto-sendai.jp/info/jinzai/20191125.html

第26講目「建築に求められる地震時の安全性と地震後の機能性」東北工業大学 堀則男 教授第26講目「建築に求められる地震時の安全性と地震後の機能性」東北工業大学 堀則男 教授
第27講目「仙台湾における海岸林再生について」東北工業大学 佐野哲也 准教授 (地域連携センター 副センター長 兼務)第27講目「仙台湾における海岸林再生について」東北工業大学 佐野哲也 准教授 (地域連携センター 副センター長 兼務)
令和元年度「県民講座」修了式令和元年度「県民講座」修了式
閉会の挨拶 地域連携センター副センター長 佐野哲也 准教授閉会の挨拶 地域連携センター副センター長 佐野哲也 准教授