レポート

復興大学 県民講座㉚㉛㉜を開講しました

学都仙台コンソーシアムの復興大学県民講座が9月28日(土)に開講しました。

一昨年から一般の方々にも広く受講できるようになりました本講座では、本年も多彩な講師陣を迎え6科目34講座開催しております。

第30講目「復興のあり方を決めている考え方」というテーマで、東北学院大学 法学部法律学科 教授 井上義比古 先生にご登壇いただきました。

初めに本講義のメインワードであるイデオロギーについて丁寧な講義が行われました。イデオロギーは我々の言語活動における文法のような一般的な存在であり、それに反すると周囲から叩かれるものである。現在我々が正しいと思っている常識は、客観的に正しいというものであり、信じているから正しいというイデオロギーである。そして、復興政策の中にはそういうものが多く、官僚が正しいと信じて計画されるが、被災地の人々が求めているものは、営みを再建するという復旧・復興である。元の生活に戻りたい、元の場所に帰りたいという願いが、政策側にはわからないのである。あの不便な過疎地に戻るより利便性が良く、賑わいのある土地に移り住んだ方が良いだろうというイデオロギーである・・・さすが人気の先生ながらのユーモアを取り込みながら、わかりやすい例を挙げ講義いただきました。

第31講目・第32講目「震災とメディア」というテーマで、第31講目 岩手日報社報道部記者 鈴木優香里 氏、第32講目 一般社団法人ヴォイス・オブ・フクシマ理事 久保田綾乃 氏に講義いただきました。

鈴木氏は岩手日報社震災からの取り組みとご自身の陸前高田での活動を伝えるとともに、地方紙の役割について「伝えることで地域を良い方向にかえること」「弱い立場にある人の声を聞き、伝えること」「地域の歴史を記録すること」であるとまとめられ、久保田氏は、これからも福島から情報を発信し、記録の継承に向けた取り組みを続け、福島の人々がもっと自由に語り、情報交流できる環境を作ることが、本当の“Voice of Fukushima=福島の多様な声”の発信につながると終えました。

次回の講座32・33は、11月16日(土)13時30分から、東北工業大学一番町ロビー2階ホールで開催します。

お申し込み、お問合せは http://www.fukkou-daigaku.gakuto-sendai.jp/

から、又は電話かメールで事務局まで。※今後の講座一覧はサイト内に掲載されております。

電話番号 022-305-3818 メール fukkoudaigaku@tohtech.ac.jp

第30講目「復興のあり方を決めている考え方」東北学院大学 井上義比古 教授第30講目「復興のあり方を決めている考え方」東北学院大学 井上義比古 教授
わかりやすく丁寧に“イデオロギー”についての講義をいただきます わかりやすく丁寧に“イデオロギー”についての講義をいただきます 
第31講目「震災とメディア~岩手から~」岩手日報社 鈴木優香里 氏第31講目「震災とメディア~岩手から~」岩手日報社 鈴木優香里 氏
第32講目「震災とメディア~福島から~」一般社団法人ヴォイス・オブ・フクシマ理事 久保田綾乃 氏第32講目「震災とメディア~福島から~」一般社団法人ヴォイス・オブ・フクシマ理事 久保田綾乃 氏