講座情報

令和5年度「地域未来学」講座17 開催報告

日 時:10月24日(火)18:00~19:00
講 師:藤沢 智子(tbc Az株式会社 代表取締役社長)
タイトル:「震災報道から見る、地域、人、そして未来」

長年メディアの世界に身を置かれ、震災報道にも携わってこられた藤沢様にご講義いただきました。

序盤は被災当時の地方放送局の様子や震災報道の状況について、当時の映像や画像も交えて紹介されました。停電でテレビが見られず、様々な恐怖に多くの被災者がさいなまれている中、ラジオから流れてくる人の声や様々な情報が流れることが、聴いている方に安心感をもたらすことを実感されたそうです。

取材や放送を通しての新たな気づきとして、震災前の被災地の姿を知らなかったこと、災害について普段からの備えが大事であること、被災者の本当の気持ちはいくら取材しても分からないといった点等をあげられ、様々な思いがあるからこそ、取材し、伝え続けなければならないと話されました。また私たちができることとして、被災者とつながり続けることだと話されました。

後半は、語り部として活躍されている方、地域づくりに携わっている方、朗読会を開いている方など、藤沢様が震災後に出会った人々について紹介されました。こういった方々は、辛い経験を他の人にしてもらいたくないという強い責任感で行動していると説明されました。
被災地には、震災から学び、感じ、動き出している人々がいる、そういった方々をいろんな人に知ってもらうことがメディアの役割であるとされました。また放送に携わる者として、取材やインタビューは、自分が何を感じ、何を考え、生きてきたかが問われる。だからこそ、様々な人に直接会って話すことが重要だと話されました。

最後に、改めて一人ひとりができることとして、自分の命は自分で守ること、自分が住んでいる地域を知った上で何ができるかを考えることをあげられ、未来は今の私たちが作って次世代にバトンタッチするからこそ、今の私たちがやるべきことが重要ではないかと話され、講義を終えられました。