講座情報

令和5年度「地域未来学」講座11 開催報告

令和5年度「地域未来学」講座11 開催報告
日 時:9月30日(土)13:30~14:30
講 師:坂本 泰伸先生(東北学院大学 情報学部 データサイエンス学科 教授)
タイトル:「相互理解を深めるコミュニケーションと情報技術」

昨年に引き続き、坂本先生にご講義いただきました。
前半は「コミュニケーション」の理解ということで、コミュニケーションや情報の定義について解説された後、参考事例を示され、「情報」は「判断の助けになるもの」という意味で「知識」と捉えることができるとされました。知識は個々で異なるため、個人が持つ「知識」を交換する、「個人の知識のギャップ」を埋めるのがコミュニケーションの役割とされました。その後、知識を伝達する効果は、情報の寿命を延ばすことと、集団としての知識の総量が増加することとした上で、他者の考えを理解することで「新しいものの見方」を吸収し、自分の過去の記憶や経験と組み合わせることで、さらなる新たな知識が生まれる。このような知識の交換や、経験から得られた知識を減らさない活動、さらなる知識を生み出す活動など、人類は知識を共有することで社会を発展させる、そのためにコミュニケーションがあると説明されました。

後半は、AIとのコミュニケーションについて解説されました。
「会話ができるAIをどのように作るか」ということが研究では課題となっており、「ChatGPT」などの生成AIがどのように作られていくのか、知識の学習プロセスについて解説されました。また実際のやり取り事例から、あくまで既存のデータからもっともらしい回答を生成している、情報を使って推論することや、主観的な回答ができないといった、ChatGPTの特徴と課題について説明されました。

まとめとして、個人の知識獲得に始まり、他者と知識のやり取りをする流れがコミュニケーションであり、それによって社会集団の知が増加し、社会の発展につながる。そのサイクルが高速化していくことで、社会がより発展していくと話されました。