講座情報

令和5年度「地域未来学」講座7 開催報告

日 時:8月29日(火)18:00~19:00
講 師:河井 正先生(東北工業大学 工学部 都市マネジメント学科 教授)
タイトル:「知っておきたい地盤リスクのはなし」

河井先生は地盤を解析し、そのデータの実用化を研究されています。
今回はタイトルにちなみ、そもそもリスクとは何かという点から説明され、例えば「地震で構造物は壊れるか」を考えた場合、ある強さの地震(揺れ)が発生する可能性と構造物の強さを表にすると、リスクは0にならない、実は「絶対安全」ではなく、どこまで考えるかの問題であると説明されました。また、災害に限らず「知らない」「考えない」ということが一番のリスクではないかと指摘されました。
先生の研究分野の中には、エネルギー分野の施設の地震対策といったものもあり、福島第一原発の処理水や、国内の石油備蓄、日本でも割合が増加しつつある自然エネルギーなどを様々な「リスク」に絡めてお話しされました。

後半は「土」「地盤」について説明され、土に含まれる水がポイントであると伝えられました。また土砂災害の説明では、地滑りや斜面崩壊などが考えられるケースを例示し、岩盤崩落については、動画を交えながら紹介されました。終盤は、液状化現象にどのように備えるかという話に関連して、科学的に正しい情報を入手することが大事であること、本質を正しく理解し考えることが、様々なリスクに向かう正しい姿勢ではないかと話され、講義を終えました。

岩盤崩落の動画の際も、液状化現象にどう備えるかという話題の際も、様々な側面から考えられるとされ、何を優先して考えるか、そのためにどれだけの情報を入手すべきかということを一貫して話された60分でした。