講座情報

令和4年度「地域未来学」講座24 開催報告

日 時:12月10日(土)13:30~14:30
講 師: 熊野 彰先生(手しごとAKIU 代表(仙台箪笥 熊野洞 代表))
タイトル:「秋保の手しごと~モノづくりの現場から未来へ向けて~」

「仙台箪笥(たんす)」の職人であり、地域活性化の取組みにも携わっている熊野 彰さんにご講義いただきました。

前半は熊野さんが工房を構える秋保地区にある「秋保工芸の里」と手しごとに携わる方のコミュニティ「手しごとAKIU」について、これまでの経緯やこだわり、展開している活動についてご紹介いただきました。
その後、熊野さんの仕事の紹介と、「本来のSDGs」ということで、箪笥の修理や陶器等の金継ぎなど、実際に修理や手直しを行った事例を、作業の様子も交え紹介されました。

後半は、地域づくり・人づくりの取組みについて、現在行っている内容や今後の展開についてお話しされました。
「秋保」=「手しごと」のイメージアップを図り、秋保のブランド化を目指すということで、
その一環として、いくつかの取組みが紹介されました。2016年から開催している秋保クラフトフェア「手ん店」は、年々社会環境にも左右され活動形態を一部変更しながら「五感で楽しむ」という趣旨で継続されています。また、東京都江東区の深川東京モダン館との共催事業では、首都圏から秋保温泉郷への誘客増強、秋保同様多くの工芸品・ワイナリーが存在する深川地区との地域間交流を目的とした展示会を行っています。
産学官連携の部分では、大学や自治体、県内各地の「作り手」で構成する「みやぎ地場産品開発流通研究会」の一員として、消費者ではなく愛用者を育てる取り組みを行っています。
この他にも講義の中で、秋保でのSDGsの取組みにも触れられました。

最後に、「観光に来る方が秋保の定住者になるまちづくり」ができることが望ましいというお話しされ、講義を終えられました。

講義の中では、今後の暮らしの変化に対応して、作り手と使い手とでキャッチボールをしながら、モノを作っていくとお話しされたように、作り手ならではの社会環境の変化や「SDGs」の捉え方をされているのが印象的でした。また秋保地区の事例を通して、地域の特色を掘り起こせば、活気のある地域づくりができることを示された講義となりました。