講座情報

令和4年度「地域未来学」講座19 開催報告

日 時:10月29日(土)14:45~15:45
講 師: 梅山 光広先生(石巻専修大学 理工学部 教授)
タイトル:「SDGsまちづくり・将来モビリティ・新しいモノづくり」

梅山先生に、『石巻市の未来都市への構想』、『ものづくりの進化~100年に一度の転換期~』、『未来の暮らし~新しい価値送出への期待~』の三つの構成からお話をいただきました。

まず、石巻市の未来都市の構想について、2030年の未来都市石巻の在り方として進めているグリーンスローモビリティ構想や、大学・漁港・工業港・自然・歴史が融合した石巻ボストン構想の紹介、さらに、グリーンスローモビリティを支える電気自動車の可能性、エネルギーへの対応について解説されました。モビリティについては、先生が所属されている石巻専修大学でも研究されており、実証実験を行っている動画などを交えて実例を紹介されました。

続いて、ものづくりの進化については、その本質を「夢とビジョン、具体の在りたい姿を明確に、そして(社員や仲間で)共有することでモノづくりに反映すること、全員がリーダーとなることにある」とし、ポイントとして、良い情報の流れ、イノベーションを阻まない環境、固有技術とつなぎ合わせの技術ということを示されました。

未来の暮らし~新しい価値送出への期待~ として、前段で述べたモノづくりの進化を支えた本質とポイントを抑えたモノづくりを土台に、SGDs目標に照らして考える、地域課題を一つずつ丁寧に考える、新しい生活・QOLを考えるという点をあげ、さらに「Well-Being」いわば幸福度の視点も必要になると述べられました。
意識の共有などから、地域課題をきちんと丁寧に考えることで、課題が「見える化」される、その上で、しっかりと豊かさや幸せな暮らしの在り方を考え、実装する手立てを技術と地域の貴重な人材との融合で乗り切ろうというもので、一例として、町の専門職人のプラットフォームづくり、つなぎ手の育成などをあげられました。

最後に、匠の技の進化でつくる日本の未来は、
・価値に気づき、ものつくりに織り込む人
・AIを使いこなして実現する人
・価値を共有し、壁を越えたリーダーシップを発揮する人
・黒子で支援し、成功に導く人
・常にパートナーシップを考える人
といった、様々な人が作り出す未来であり、日本人であればその未来を作れると述べられ、講義を終えられました。

人を基軸に、もう一度人間重視の社会をつくること、それが本当の意味で、スモールでスマートな社会であるということを気づかせて頂いた講義でした。