講座情報

令和4年度「地域未来学」講座11 開催報告

日 時:9月27日(火)18:00~19:00
講 師:工藤 栄亮先生(東北工業大学 工学部 情報通信工学科 教授)
タイトル:「Society5.0が目指す未来社会」

本学ではICTシステム研究所所長も務められ、情報通信の応用技術について研究されている工藤先生にご講義いただきました。

前半はSociety5.0とは何かについて、簡単なクイズや動画の紹介も交えながら解説されました。Society5.0とは、「狩猟社会」「農耕社会」「工業社会」「情報社会」に続く5番目に出現する社会のことを指し、この社会はサイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会を指すそうです。これを定めた「総合科学技術・イノベーション会議」は、国家の科学技術・イノベーション政策推進に大きく関わっていることから、最近よく聞かれるようになったのではないかと指摘されました。

後半は、Society5.0の社会では、どのような利点があるかということを紹介されました。
利点として大まかには、IoTにより様々な知識や情報が共有され、新たな価値が生まれる、少子高齢化や地方の過疎化などの課題をイノベーションにより克服できる、ロボットや自動運転などの支援により、生活の質が向上する、AIにより煩雑な作業がなくなるといった点を挙げられました。これは現実空間からセンサーとIoTを通じてあらゆる情報が集積し、そのデータをAIが解析し、現実空間にフィードバックされていくことで実現するそうです。
これらの利点について、さらに交通、医療、ものづくり、農業、食、防災、エネルギーといった各分野で具体的にどのように活かされるかの想定も紹介されました。

最後に、Society5.0では地域社会が抱える様々な課題を解決してくれる、そのためには、地域社会にも通信インフラを整備する必要があり、また情報通信技術者も必要であると、今後の展望と課題をまとめられました。

現在多く聞かれるキーワードについてかみ砕いて解説され、また地域社会との関わりも意識され、情報通信の分野が実は身近なところにあるということを感じさせる講義でした。