地域未来構築事業

地域未来学

令和3年度「地域未来学」講座25 開催報告

日時
11月20日(土)13:30~14:30
講師
薛 松濤 先生(東北工業大学 工学部 建築学科 教授)
タイトル
「構造物の耐震性能及び構造ヘルスモニタリングシステム」

制振装置の開発や構造ヘルスモニタリングシステムについて研究されている、本学の薛 松濤先生にご講義をいただき、はじめに耐震、制振、免震について建築の歴史に基づき、地震被害の事例も交えながら説明がなされました。

地震に対抗する技術は発達してきた一方で、地震後の建築物の性能を判断できる自動システムが無いという課題があり、その解決手段として構造ヘルスモニタリングシステムを提示されました。 建物の揺れの周期の長さによって損傷具合が分かるという原理のこのシステムは、振動をセンサー等で観測し周期を割り出すことで構造性能を判定しており、実験動画や本学での活用例も交え分かりやすく解説されました。
このシステムによって、地震後の建物の性能が約2分後には判定され、すぐに建物に戻っても危険性が無いか分かるだけでなく、長期的に建物の性能を観測することで、資産価値の増減も分かるようになると述べられました。

今後の課題として、計算法の違いによって生じる解析ソフト間での数値差をどのように埋めていくか、さらに正確な解析のために進めている、画像解析による直接変位観測法の研究進捗について報告され、上手くいけば世界初のシステムとなるという今後の展望も見据え、講義は終了しました。

令和3年度「地域未来学」講座25 開催報告
令和3年度「地域未来学」講座25 開催報告