地域未来構築事業

地域未来学

令和3年度「地域未来学」講座20 開催報告

日時
10月6日(水)15:30~16:30
講師
芝田 正 氏(東北放送株式会社 技術局次長 兼 技術管理部長)
タイトル
「放送技術者の視点からメディアを考える~3.11震災・SDGs・社会・地域コミュニティ・技術~」

東北放送株式会社の芝田 正 氏より、放送技術者の視点から多角的にメディアを捉えお話をいただきました。
はじめに東北で一番古い民間放送局であるtbc東北放送の概要について触れ、日本における放送事業者についてメディア論や放送法・電波法も交えご説明いただきました。

続いて、震災時の対応として停電からの電気設備の復旧、放送法に基づく災害放送、各局で連携した電波確保など震災当時の経験もお話いただき、沿岸部に送信所があるAM放送は災害時津波への脆弱性があることから、情報の強靭化が図られ、ワイドFM放送への整備が進んだ経緯のご説明がありました。
震災後は再生可能エネルギーの利用にも積極的に取り組むとともに、災害に強い放送局としてハード設備の強靭化を図り2020年には新社屋を新設しました。2021年にはSDGs宣言も行い、被災地の放送局として地域との連携にも取り組んでいます。

終盤は、これからのメディアをテーマにお話いただきました。
情報通信技術の進歩もあり、2019年には、インターネット広告費がテレビメディア広告費を超え、さらに最新の調査では、平日のインターネット利用時間がテレビ視聴時間を超えたことが報告されました。
こうした状況の中、マスメディアとネットワーク型メディアの融合による総合メディア産業への転換が、豊かなメディア環境となった現代においては必要になると語られ、同時に報道・教養・娯楽の表現機関として、社会と市民の接着剤となる放送局の役割が問われていると述べられました。
最後に「風俗を語るときは政治的に語れ、政治を語るときは風俗を語るように語れ」という大家壮一氏の言葉を紹介され、メディアは知的な遊びであるべきだという主張で締めくくられました。

令和3年度「地域未来学」講座20 開催報告
令和3年度「地域未来学」講座20 開催報告