地域未来構築事業

地域未来学

令和3年度「地域未来学」講座18 開催報告

日時
10月2日(土)13:30~14:30
講師
伊藤 房雄 先生(東北大学 大学院農学研究科 教授)
タイトル
「3.11被災地における新たな農業・農村づくりから地域の未来を学ぶ」

農業経済学、農業経営学について研究されている東北大学 大学院農学研究科 教授の伊藤 房雄先生より、宮城県・福島県沿岸部の津波被災地で展開されている新たな農業・農村づくりを事例に、『持続性』に焦点を当て、地域の未来について講義をいただきました。

震災復興にあたり復旧と復興はイコールではないという認識があり、復興計画の農林水産業に関しては、震災前から抱えていた高齢化、担い手不足、低収益性といった構造問題の解消を強く意図しています。しかし復興事業を通じての課題解決は将来的に理想とする農業・農村なのかという疑問を提示されました。

新たな農業・農村づくりを学ぶにあたり、経営及び地域づくりの基本となるPDCAサイクルのご説明があり、地域づくりには「バカ者」「キレ者」「ヨソ者」「総合プロデューサー」の人材が不可欠であること、また「バックキャスト」という未来像を起点に現在を振り返り、今なにを為すべきかを考える発想法が必要になると述べられました。

また将来の農業・農村を描くためには、今後わが国が目指すべき未来社会「Society5.0」、ロボットやAIなど先端農業技術を活用した「スマート農業」、SDGsや脱炭素へ向けた「みどりの食料システム戦略」の3点に留意する必要があると示され、それぞれのご紹介もいただきました。
講義中、農業・農村の現状や課題について理解するための参照資料も提示され、受講生の今後の学びを深める道筋も示されていました。

令和3年度「地域未来学」講座18 開催報告
令和3年度「地域未来学」講座18 開催報告