地域未来構築事業

地域未来学

令和3年度「地域未来学」講座17 開催報告

日時
9月18日(土)14:45~15:45
講師
武田 真一 先生(宮城教育大学 防災教育研修機構 特任教授)
タイトル
「311を伝え継ぐために~東日本大震災「伝承と防災啓発」の未来~」

震災当時、河北新報報道部長であった武田 真一先生より、これからの震災伝承や防災啓発の意義をテーマに講義をいただきました。
冒頭、「復興とは何か」という問いが投げかけられ、“出来事をきちんと振り返り総括が出来るようになること”、“被災体験の有無に関係なくあの日の出来事、その後、いまに向き合い、教訓を伝え継げるようになる”ことがひとつの復興の目標であると述べられました。

続いて、震災直後~2020年までを、河北新報に掲載された写真のスライドショーで振り返り、「伝承」を考えるための3つの問いについて語られました。

震災は過去の出来事か
相次ぐ行方不明者の手がかり発見、仮設住宅や災害公営住宅での孤独死など有形無形に関わらず震災の影響は今でも続いており、震災は「終わった出来事」ではないと述べられました。

「忘れない」は誰のためか
災害による被害が繰り返されている現実があり、「被災地」「被災者」は日常に内在しています。自分や家族が犠牲にならないために、震災を自分事として捉え、振り返る。そして身近な人達に共有し、共に確かめ合う。一人一人が伝える・備える担い手になることこそが、震災伝承、伝え継ぐ力の出発点ではないかと語られました。

震災を伝え継ぐのは誰か
宮城教育大学311ゼミナールの活動を挙げ、「被災経験の有無に関わらず、震災に向き合うことで知り得たことをもとに行動できるかが重要。次の世代に伝える役目を自分たちが担っている。」というすべての人に求められる視点を示されました。

最後に、震災を自分事として捉え直し、伝え継ぐ主体となって、家族や子供、同僚と語り合って欲しい。震災伝承と防災啓発の未来は、皆さんこそが築くものですと締めくくられました。

「3.11メモリアルネットワーク」
https://311mn.org/

令和3年度「地域未来学」講座17 開催報告
令和3年度「地域未来学」講座17 開催報告