地域未来構築事業

地域未来学

令和3年度「地域未来学」講座12 開催報告

日時
8月28日(土)14:45~15:45
講師
内田 安弘 氏(阿蘇持続可能な社会研究所 所長)
タイトル
「西原村における熊本地震の被害及びその後の復旧・復興等について」

熊本県西原村で副村長として、また県職員として震災対応に関わって来られた、内田安弘さんにお話を伺いました。
前半は熊本地震の被害状況や復興施策について紹介され、熊本地震当時の西原村の被害状況について、家屋や道路が被害を受けている写真や、ライフラインの状況等も交えて紹介いただきました。
発災後の対応、特に職員派遣については、村職員の中でも東日本大震災の支援経験者がいたこと、カウンターパート団体も含めマネジメントがしっかりしていたことで受援体制ができていたこと、また東日本大震災を経験した派遣職員の助言を受けて、災害廃棄物処理体制の整備や業務の効率化を進められたことが大きかったと話されました。
被災宅地の復旧については、コミュニティに配慮した災害公営住宅の建設なども進めてきた一方、急傾斜地崩壊防止事業では、事業対象の拡大や、住民間の調整で労力がかかる等の苦労を語られました。

西原村の復旧・復興の支えとして、山焼きや道路清掃、発災対応型防災訓練などの活動を通しての、住民の公的意識の醸成やコミュニティ形成を従来から行ってきたことを要因としてあげられました。これにより、安否確認や、避難所の開設、救出活動といった発災直後の動きから、集団移転等の生活に直結する大きな動きも円滑に進めることができたとのことです。
地震の経験を経て、今後の災害時対応の課題としては、過去の災害経験者等による支援の必要性や、初動対応における効率化と迅速化をあげられました。
復興の実現に向けては、創造的復興を進めるための新たなルールや新たな価値を作る取組み、普段からの「まちづくり」「むらづくり」の議論、災害対応のためのオープンスペースの確保、自助・共助を支える良好なコミュニティの維持・再生をあげられ、講義を終えました。

令和3年度「地域未来学」講座12 開催報告
令和3年度「地域未来学」講座12 開催報告