学内公募研究(令和6年度)

令和元年度より、本学の研究推進と研究のブランド化推進のため、本学教員の提案による研究テーマを公募し、審査委員会にて内容を審査後予算措置し支援しております。
研究タイプは、
「萌芽型」(科研費等競争的資金研究を目指す研究)
「発展型」(現在実施しているの競争的資金研究をさらに発展させる研究)
「実用化型」(企業との産学共同研究の準備段階の研究)
「地域連携型」(自治体・地域団体等との地域連携事業の準備段階の研究)
となっています。

単一電子のテラヘルツ動力学の観測と制御に向けた技術開発

  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 住み続けられるまちづくりを
研究タイプ
萌芽型
研究代表者
電気電子工学科 教授 柴田 憲治
研究概要
単一の量子ドットを活性層とする量子情報処理デバイスは、1つの電子やスピン、光子に情報機能を持たせるため、超低消費電力エレクトロニクスの有望な技術と言われている。特に10nm程度の半導体量子ドットでは、系のエネルギースケールがテラヘルツ(THz)帯の光子のエネルギーに相当し、単一電子・スピン状態の動的制御によるTHz帯の量子情報素子の実現が期待される。本研究では、その実現に必要な実験環境の構築を行う。

赤色波長帯可飽和吸収材料の探求と短パルスレーザー応用

  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 気候変動に具体的な対策を
研究タイプ
萌芽型
研究代表者
情報通信工学科 教授 佐藤 篤
研究概要
本研究では、パッシブQスイッチ用の可飽和吸収体の開拓がほとんどなされていない赤色波長帯において、分光学的視点からの結晶材料の探求とその短パルスレーザー発振への応用可能性の検討を行う。得られた成果に基づき、サブナノ秒赤色レーザーを実現し、テラヘルツ波検出への応用を目指す。

テラヘルツ波反射計測を用いた断熱モルタル施工の評価手法に関する研究

  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任 つかう責任
研究タイプ
萌芽型
研究代表者
情報通信工学科 准教授 縄田 耕二
研究概要
断熱モルタルは不燃性・断熱性・耐久性に優れており、既存建築物の省エネルギー化に有効である。一方で定量的な施工評価手法が確立されていないため一般消費者視点に立つと安心して実施できる状況になく、普及のボトルネックとなっている。
本研究では、透過性の高い0.1~0.3 THz程度のサブテラヘルツ波を活用し、断熱モルタルの反射測定による評価手法の確立を目指す。

加齢と心理・意思決定の関係に関する調査研究

  • すべての人に健康と福祉を
  • 働きがいも経済成長も
  • 住み続けられるまちづくりを
研究タイプ
萌芽型
研究代表者
都市マネジメント学科 教授 菊池 輝
研究概要
今後日本は世界で前例のない超高齢社会を迎えることになるが、加齢に伴い心理プロセスや意思決定の傾向に変化が見られるかどうか、は明らかになっていない。本研究ではいくつかの認知バイアス課題、例えばSudden-Death Aversionやフレーミング効果などのいわゆる非合理な意思決定をしてしまう課題、および実生活の中で抱く感情である地域愛着感のアンケート調査を実施し、年齢層別に回答傾向を比較することで、加齢との関係について考察を試みる。

木造軸組構法における柱梁接合金物による割裂破壊

  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任 つかう責任
研究タイプ
萌芽型
研究代表者
建築学科 准教授 曹 淼
研究概要
木造軸組構法の柱梁接合部において発生する割裂破壊は、脆性的な破壊で建物の安全性を著しく損なう危険性がある。本研究では、接合金物による割裂破壊に着目し、柱梁接合部試験体を用いた実験及び材料力学・破壊力学的な解析により、複合応力場での割裂発生メカニズムを解明し、発生条件を定式化する。さらに実験的検討に基づき、割裂破壊を防止するための適切な設計法および既存建物に対する合理的な補強法を提案する。

カメラレンズ歪みを考慮したバーチャルキャリブレーション手法の開発

  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任 つかう責任
研究タイプ
萌芽型
研究代表者
建築学科 教授 薛 松濤
研究概要
地震後の構造性能評価において、変位応答が重要な指標であるが、既存の加速度センサーに依存した変位の算出は誤差が生じる可能性がある。申請者らは実測データでこの問題を明らかにした。本研究では、画像解析による直接変位測定システムを開発し、実建築物への実装及び実地震での有効性確認を目的とする。計測装置の揺れや悪天候対応、及びレンズ歪みによる誤差について対策法を提案し、振動台実験で検証する。

認知症の人の声を環境づくりに反映するための科学的手法の開発

  • すべての人に健康と福祉を
  • 人や国の不平等をなくそう
  • 住み続けられるまちづくりを
研究タイプ
萌芽型
研究代表者
生活デザイン学科 准教授 谷本 裕香子
研究概要
2023年に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が制定されたが、認知症の人が自立して生活していくための環境は整っているとはいえない。
本申請研究においては、半構造化インタビューを用いて多様性のある認知症の人の声を客観的なプロセスにより聞き取る方法論を開発し、行動観察調査・ユーザー中心の設計手法を用いて実用性のある環境デザインに発展させるフレームワークを構築することを目的とする。

再生可能エネルギーを活用した水素生成システムの開発

  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
研究タイプ
発展型
研究代表者
電気電子工学科 教授 下位 法弘
研究概要
現在、八木山キャンパスで車載用廃蓄電池を活用した再生可能エネルギー利用型エネルギーマネジメントシステム(EMS)の電力消費に関する実証実験を展開している。そのEMSの余剰電力を活用して人工的に紫外線を輻射する発光デバイス(LEDや多重量子井戸 (MQW) 構造電子線励起型発光デバイス(令和2-3年度学内公募研究で開発))を用い、硫化カドミウム(CdS)光触媒材料を利用して硫化水素を分解する水素生成システムを提案する。

実用に資する高度な感覚センサ統合型ロボットハンドリングに関する研究開発

  • すべての人に健康と福祉を
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
研究タイプ
発展型
研究代表者
電気電子工学科 教授 室山 真徳
研究概要
これまで、真に役立つ人間協調ロボットの実現に向けて、独自開発のMEMS-LSI集積化触覚デバイスや様々なセンサによる時系列データの取得、解析および機械学習による識別技術などを開発してきた。本研究では、昨年度途中まで行った視覚や触覚などの感覚センサのマルチモーダルセンシング、識別技術、およびロボット制御技術に対して全体統合を行い、実用に資する精度の制御、動作、強度向上に関する研究開発を行う。

煎ごう工程のメタルバルブに用いられるモネル400 の海水電解用酸素発生陽極を用いた電気防食

  • すべての人に健康と福祉を
  • 安全な水とトイレを世界中に
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • つくる責任 つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
研究タイプ
発展型
研究代表者
環境応用化学科 教授 加藤 善大
研究概要
電気防食は、溶液中で金属の電位を操作することで金属材料の腐食を防ぐ方法である。通常、陽極には安定な白金が用いられるが有害な塩素が生成してしまう。私たちは、海水電解中に塩素を発生させず酸素のみを生成する酸素発生陽極を創製している。本実験では、製塩工程の煎ごう釜に用いられるモネル400に酸素発生陽極を用いた電気防食を適用する。

表面増強ラマン散乱を用いた高感度バイオケミカルセンサの開発

  • すべての人に健康と福祉を
  • 安全な水とトイレを世界中に
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
研究タイプ
実用化型
研究代表者
電気電子工学科 教授 内野 俊
研究概要
本研究は、病気の診断や水質検査を迅速かつ簡便にできる表面増強ラマン散乱分光(SERS)を用いた高感度バイオケミカルセンサを開発することを目的とする。先に、我々は銀ナノ構造とグラフェンを積層したバイオケミカルセンサを作成し、疾患の原因になるサイトカインの検出に成功した。一方、感度や定量性で新たな課題が見出された。そこで、本研究は高感度かつ容易に定量化ができるバイオケミカルセンサの実用化を検討する。

健康管理のための呼気分析装置の開発

  • すべての人に健康と福祉を
研究タイプ
実用化型
研究代表者
電気電子工学科 教授 辛島 彰洋
研究概要
本申請課題で作製する非侵襲的に測定可能な呼気を簡易分析できるシステムは、生活習慣の改善や疾病の早期発見にとって有用であり、健康管理分野への貢献は大きい。協力研究者である環境応用化学科丸尾教授のグループでは、多孔質ガラスや繊維(紙)を用いた微量気体分析基板を開発し、特定疾患と関連する微量気体の高感度検出に成功した。本申請では、在宅での健康管理を目指して、その分析基板を用いて安価で簡便に呼気を分析できる測定器を開発する。

AR技術による電磁波の高精度可視化システムの開発

  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
研究タイプ
実用化型
研究代表者
情報通信工学科 教授 袁 巧微
研究概要
この研究は、ワイヤレス給電システムの安全性に関する社会的な懸念を解消するために、電磁界解析と電磁界測定技術、そして拡張現実(AR)技術を組み合わせて、ワイヤレス給電システムの周辺電磁界を可視化し、リアルタイムで電磁界分布を把握することを試みる。
昨年度はプローブの精度向上を図り、今年度は評価及び実用化に向け、プローブの自動移動及びシステムの小型化を図る。

蛍光指紋法と多変量解析を用いた発酵食品の分析方法

  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
研究タイプ
実用化型
研究代表者
環境応用化学科 教授 丸尾 容子
研究概要
東北の特色ある食品には日本酒などの発酵食品が多く存在する。これら発酵食品は蛍光を発する物質を含有するという特色がある。発酵食品から発せられる蛍光に対して測定された3Dスペクトルは蛍光指紋と言われ、食品に対する多くの情報を含んでいる。研究ではこれら3Dスペクトルと多変量解析法を組み合わせることで発酵食品の新たな分析法を検討し、食品の品質評価方法や類似性評価方法に用いることを目標とする。

3D都市データを活用した防災教育コンテンツの利用促進に関する研究

  • 質の高い教育をみんなに
  • 住み続けられるまちづくりを
  • 気候変動に具体的な対策を
研究タイプ
実用化型
研究代表者
都市マネジメント学科 講師 小野 桂介
研究概要
申請者においては国土交通省が公開した最新の3Dデータを活用し、小中学生が地域の浸水リスクを学ぶことができる防災教育コンテンツを開発している。本研究では日本全国に対する開発コンテンツの普及・利用促進に向けて、WEB ツールの開発を目指す。また、同コンテンツによる海外における防災教育の実践を目指す。

人文学と建築史、環境工学が連携した伝統的な文庫蔵の記録化と文化財保存環境の評価

  • 質の高い教育をみんなに
  • 住み続けられるまちづくりを
  • 海の豊かさを守ろう
研究タイプ
地域連携型
研究代表者
建築学科 准教授 中村 琢巳
研究概要
家財道具や史料、身近な生活資料を収蔵する「文庫蔵」の文理融合型研究である。収納空間の伝統的作法を継承する歴史的建造物を事例とし、資料ジャンルやその空間特性といった人文学・建築史学的知見と、各空間のデータロガー実測による温湿度測定(文化財保存環境の評価)を統合し、土蔵の保存環境に関する「伝統知」を抽出する。収蔵資料の写真撮影の工夫により、「蔵が語る家や地域の物語」の提示や文化財活用へとつなげる。

東北の地方都市から和歌山市の建築・都市の持続可能性を考える

  • すべての人に健康と福祉を
  • 働きがいも経済成長も
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任 つかう責任
研究タイプ
地域連携型
研究代表者
建築学科 准教授 錦織 真也
研究概要
和歌山市は古代から木材や海産物を奈良や京都へ供給し、近世に海運業の要地として整備された城下町の骨格を残す都市である。一方で、現代においては少子高齢化が著しく、産業の衰退や市街地の空洞化が進みつつある。本研究では、和歌山市を対象に地方都市が抱える普遍的かつ先進的な課題をあぶり出し、同じく少子高齢化による課題を抱えた東北の地方都市から、都市・建築による持続可能性について、重層的に提案することを試みる。

バーチャルミュージアム構築に関する共同制作

  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
研究タイプ
地域連携型
研究代表者
産業デザイン学科 教授 堀江 政広
研究概要
以前より共同研究を行った実績のある仙台市IT企業アンデックス株式会社(以下「アンデックス」)と、IT技術を使った共同研究を行います。福島県新地町では、震災からの復興・風評払拭、交流人口の回復拡大と地域の活性化を目指し、新地町にゆかりのあるアーティストにまつわるアートイベントを実施予定です。そのイベントにおいて、VRを活用したバーチャルミュージアムの企画から構築、また、バーチャルミュージアム内部のコンテンツ展示のデザイン等の活動をします。これにより、外部の方々へ、新地町の新たな魅力の情報発信を行います。

東北地方におけるローカルデザイン教育プログラムの検討:宮城県内の地域資源に着目して

  • 質の高い教育をみんなに
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任 つかう責任
研究タイプ
地域連携型
研究代表者
産業デザイン学科 講師 坂川 侑希
研究概要
本研究は、令和5年度学内公募研究「東北地方における共創型ローカルデザイナーの育成に関する研究」において得られた知見に基づき、デザインの力で地域(ローカル)に新たな価値を見出す「ローカルデザイン」の教育プログラムについて検討するものである。プログラムは正規授業の枠組みで行われ、宮城県内の特定の地域を対象とした地域資源の再構築と発信に学生らは取り組むことで、ローカルデザインの手法と意義について学ぶ。

過去アーカイブ

本学教員の研究シーズの社会実装を推進するため、企業との共同研究、自治体との共同事業に資金を確保し推進しております。プロジェクト研究事業は、本学教員が代表となり、地域企業と共同による実用化の試験と開発を目指す事業です。
以下の研究タイプのプロジェクト研究事業を実施しております。

プロジェクト研究一覧

共同プロジェクト研究(実用化型)研究支援センター(RSC)

実用化開発研究
実用化の可能性がすでに示されていること。実用化の可能性から、その後の実現を目指す開発研究。
実用化試験研究
基盤研究を終了していること。基盤研究後の実用化の可能性を一層明らかにするための開発研究。

地域連携プロジェクト研究地域連携センター(CRC)

地域の発展に寄与することを目的とした調査又は研究。
主に対象となる地域と連携し、地域文化・地域産業・人材育成等に関わる研究推進を図る事業です。フィールド調査、地域産業や自治体との連携を図りながら進めます。

その他プロジェクト研究

せんだい創生プロジェクト地域連携センター(CRC)

せんだい創生COCプロジェクト

「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」の地域志向教育として「地域」を志向した「仙台市のまちづくり」や「地下鉄東西線沿線に関わるまちづくり」をテーマに、学生参画によるプロジェクト研究活動を実施しております。

せんだい創生プロジェクト

仙台市と東北工業大学とのまちづくりにおける連携・協力に関する協定に基づき、市民活動の活性化や市民交流の向上、地域社会の発展と未来を担う人材育成などを目的に、まちづくりプロジェクトの企画及び運営を行うものです。

※本プロジェクトでは、仙台市の課題を以下の4分野に分類し、研究活動を実践しております。

研究分野
  1. 福祉・高齢者
  2. 防災減災・まちづくり
  3. 環境・持続可能性構築社会
  4. 公共交通
報告書