ICTシステム研究所

Society 5.0研究拠点

幅広い分野にわたるICT研究教育拠点

所長 工藤栄亮(工学部 情報通信工学科 教授)

情報通信工学科が誇る実験・研究・教育設備群「ITシステムラボラトリー」を核とし、ICTシステムの基盤となるネットワーク技術に関する研究を地域の技術者とも連携し横断的に展開する。具体的には、 (1)ネットワークを支える物理的要素技術、 (2)ネットワークを活用する応用技術、(3)ネットワークを守る管理技術の3分野に関する地域の技術者にも開放された研究教育拠点を目指す。

  • 2030年に向けて世界が合意した「持続可能な開発目標」です
  • すべての人に健康と福祉を
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • つくる責任 つかう責任
キーワード
SDN、ICT、IoT、光通信、無線通信、ネットワーク、インターネット、LAN、セキュリティ
ICTシステム研究所

研究内容

「ITシステムラボラトリー」は、ITシステムの根幹を支えるネットワーク技術を実践的かつ効果的に教育・検証する場として2006年に整備された。その特徴は、光ファイバや通信ケーブルをはじめとするネットワークの物理的構成要素からインターネットセキュリティなどの応用的要素まで、横断的に研究・教育・検証できる点にあり、東北地方だけでなく国内でも稀有な実験・研究・教育設備群である。本研究所は「ITシステムラボラトリー」を核とし、ICTシステムの基盤となるネットワーク技術に関する研究を横断的に展開する。具体的には、 (1)ネットワークを支える物理的要素技術、 (2)ネットワークを活用する応用技術、 (3)ネットワークを守る管理技術の3分野での地域の技術者にも開放された研究教育拠点を目指す。

(1) ネットワークを支える物理的要素技術

高速光通信に対応したビットエラーレート測定システム、光ファイバの試験や保守管理に必須のパルス試験装置、様々な通信の内容を詳細に解析できるプロトコルアナライザなどが整備されている。それらを活用し、光通信システムの高度化技術や移動無線通信とその応用技術に関する研究開発を実施する。

(2)ネットワークを活用する応用技術

合計数十台のサーバ、クライアント、スイッチとそれらを相互に接続したLANを構成できる設備を有している。そのネットワーク上で、IoT (Internet of Things) に代表されるネットワークを活用して生活を豊かにする新たなサービスや、SDN (Software Defined Network) などネットワークを柔軟に制御する高度な技術に関する研究開発を実施する。

(3)ネットワークを守る管理技術

実環境に近いネットワーク構成を再現可能な基幹ネットワーク装置や、通信内容の詳細分析が可能なセキュリティ試験用測定装置が備わっている。それらを活用しインターネット上では実際に検証することが困難なネットワーク攻撃や不正アクセスを再現することで、攻撃の特徴の検証や検知方法に関する研究開発を実施する。

さらに、上記の研究に大学院生や学部生を積極的に参画させることで、ICTシステムのあらゆる側面に精通したいわゆる「フルスタックエンジニア」の実践的育成拠点として活用し、社会的要請である「ICTエンジニア不足の解消」、「地域のICT技術者育成」にも寄与することを目指す。

図 1 高速光通信対応ビットエラーレート測定システム 図 1 高速光通信対応ビットエラーレート測定システム
図 2 光ファイバの試験や保守管理に必須のパルス試験装置 図 2 光ファイバの試験や保守管理に必須のパルス試験装置
図 3 実環境に近い構成での実験が可能な基幹ネットワーク装置 図 3 実環境に近い構成での実験が可能な基幹ネットワーク装置
図 4 通信内容の詳細分析が可能なセキュリティ試験用測定装置 図 4 通信内容の詳細分析が可能なセキュリティ試験用測定装置

令和4年度の研究(または活動)内容

(1)ネットワークを支える物理的要素技術
・移動無線通信と応用技術
①マイコンボードを用いる無線伝送シミュレータの製作
ITシステムラボラトリ内にサイエンスミュージアムとして,マイコンボードを用いる無線伝送シミュレータを展示している.今年度は5ブランチ最大比合成ダイバーシチとハミング符号・インターリーバを適用するBPSK無線伝送シミュレータを製作した.…続きを読む

令和3年度の研究(または活動)内容

(1)ネットワークを支える物理的要素技術
・移動無線通信と応用技術
①マイコンボードを用いる無線伝送シミュレータの製作
ITシステムラボラトリ内にサイエンスミュージアムとして,マイコンボードを用いる無線伝送シミュレータを展示している.今年度は6ブランチ最大比合成ダイバーシチを適用するBPSK無線伝送シミュレータ,5ブランチ最大比合成を適用する64QAMおよびOFDM無線伝送シミュレータを製作した。…続きを読む

令和2年度の研究(または活動)内容

(1)ネットワークを支える物理的要素技術
・移動無線通信と応用技術①RF通信トレーナを用いる伝送実験
情報通信工学科第6セメスターで開講されている情報通信工学実験Ⅲにて,新規テーマとして「無線通信」を開講した.本テーマは,これまで我々が周波数ホッピング伝送実験を行っていた,RF通信トレーナとスペクトラムアナライザを用いて,無線通信の基礎実験を行うものである.…続きを読む

令和元年度の研究(または活動)内容

(1)ネットワークを支える物理的要素技術
・移動無線通信と応用技術
①マイコンボードを用いる無線伝送シミュレータの製作
ITシステムラボラトリ内にサイエンスミュージアムとして,マイコンボードを用いる無線伝送シミュレータを展示している.現在は2ブランチ最大比合成64QAM無線伝送シミュレータを…続きを読む

メンバー

学内メンバー
  • 佐藤  篤(情報通信工学科 教授)
  • 松田 勝敬(情報通信工学科 教授)
  • 角田  裕(情報通信工学科 教授)
  • 縄田 耕二(情報通信工学科 准教授)
  • グエン ヴァン ドゥック(情報通信工学科 講師)
学外メンバー
  • キニ グレン マンスフィールド
    (株式会社サイバー・ソリューションズ 代表取締役社長)
  • 芝田 正
    (東北放送株式会社 技術局次長兼技術管理部長)

関連研究テーマ等

科研費等外部資金関連研究テーマ

令和4年度

  • 科研費基盤(C)
    「マルチセンシング情報を用いる屋内位置推定法に関する研究」(代表:工藤栄亮)
  • 公益財団法人 高橋産業経済研究財団
    「イントラネットの安全を支える柔軟かつきめ細やかなアクセス制御の実現に関する研究」(代表:角田裕)

令和3年度

  • 科研費基盤(C)
    「マルチセンシング情報を用いる屋内位置推定法に関する研究」(工藤栄亮)

令和2年度

  • 科研費基盤(C)
    「マルチセンシング情報を用いる屋内位置推定法に関する研究」(工藤栄亮)

令和元年度

  • 科研費基盤(C)
    「マルチセンシング情報を用いる屋内位置推定法に関する研究」(工藤栄亮)
  • KCみやぎ産学共同研究会
    「中小企業におけるイントラネットの仮想化を見据えたセキュリティソリューションの開発」(角田裕)
学内公募研究

令和4年度

  • 「サイバーボランティアの効率化と活性化のためのシステム開発」(角田 裕)
  • 「無線LAN実利用環境可視化システムの研究・開発」(松田勝敬)

令和3年度

  • 「ホストの通信行動履歴の把握を目的としたトラフィック観測・分析技術の基礎研究」(角田 裕)
  • 「ネットワーク上バーチャルリアリティー(VR)コンテンツ配信システムに関する研究」(グエン ヴァンドゥック)

令和2年度

  • 「効率的なフォレンジクスのための非ユーザ主導型通信の観測と分析」(角田 裕)

令和元年度

  • 「緊急速報統合情報処理システムの研究・開発」(松田勝敬)

関連リンク