制振工学研究所

防災・減災技術研究拠点

次世代高性能制振装置を開発する

所長 薛松濤(建築学部 建築学科 教授)

東日本大震災をはじめ、近年あらゆる災害が多発しており、多くの課題が浮上している。これらの課題に鑑み、建物の性能は倒壊防止・人命確保にとどまらず、機能維持・損傷防止等より高度に満足させなければならないことが認識される。本研究所では、高度情報化社会のニーズと災害多発時代の到来に備え、ヘルスモニタリングシステム・振動台実験・構造解析等を活用し、次世代高性能制振装置を開発する。

  • 2030年に向けて世界が合意した「持続可能な開発目標」です
  • 住み続けられるまちづくりを
キーワード
制振装置、免制震装置の補修、慣性質量効果、質量増幅機構、応答制御、深層学習

研究内容

実構造物による免制震装置の補修方法の有効性検証、新たな提案及び同定手法の研究

東日本大震災により破損された制震装置を対象として、その損傷メカニズムを究明するとともに、大変形時にも性能維持できる補修方法を考案した。ヘルスモニタリングシステム及びシミュレーションを用いて補修方向の有効性を検証・同定を行う。

建物の機能維持を目指した慣性質量効果を有する制振機構の実建物への適用

地震時における構造物の応答を抑制するため、慣性質量効果を有する液流ダンパーを開発する。液流ダンパーは、一対のピストンとシリンダーで構成される。ピストンの変位に応じ、シリンダー内の液体が高速で移動することにより発生する慣性質量効果などによるエネルギーの消費は建物の応答を低減させる。

質量増幅機構を用いた革新的振動制御装置による地震時建築物応答制御設計法の開発

従来の制振構造の性能をさらに向上させるため、質量増幅機構を用いた振動制御装置を開発する。ボールネジ機構において円盤の回転力と円盤に取り付けた磁石により発生する磁力は、装置に大きな抵抗力を提供する。

人工知能を用いた振動制御に関する研究

アクティブ制震構造の制御をより効率的にさせるため、人工知能を用いた高度な性能を持つ振動制御方法を開発する。深層学習を用いて、ヘルスモニタリングなどのデータを学習させることで、自動的に建物の振動特性を把握し、最適制御を維持する。

ハイブリット・レトロフィット ハイブリット・レトロフィット
ヘルスモニタリングシステム ヘルスモニタリングシステム
質量増幅機構を用いた振動制御装置の振動実験 質量増幅機構を用いた振動制御装置の振動実験
深層学習を用いた振動制御 深層学習を用いた振動制御

令和元年度の研究(または活動)内容

3-1 実構造物による免制震装置の補修方法の有効性検証、新たな提案及び同定手法の研究
東日本大震災により破損された制震装置を対象として、その損傷メカニズムを究明するとともに、大変形時にも性能維持できる補修方法を考案した。ヘルスモニタリングシステム及びシミュレーションを用いて補修方向の有効性を検証・同定を行う。継続観測により、2019年8月4日までの地震記録の増福率(図1)をみると、補修方法が有効であることがわかり、これからも観測していく予定である。…続きを読む

メンバー

学内メンバー
  • 船木 尚己(建築学科 教授)
  • 堀  則男(建築学科 教授)
  • 曹   淼(建築学科 講師)
外部関連メンバー
  • 五十子 幸樹(東北大学 教授)

関連研究テーマ等

科研費等外部資金関連研究テーマ

令和2年度

  • 科研費18K04438
    「実構造物による免制震装置の補修方法の有効性検証、新たな提案及び同定手法の研究」(薛 松濤)
  • 科研費20K04775
    「危険性自己発信機構を有するあと施工アンカーの開発と実建物への適用可能性の検証」(船木 尚己)
  • 科研費19F19777
    「巨大地震時の超高層免震構造物の破壊メカニズム」(薛 松濤)

令和元年度

  • 科研費18K04438
    「実構造物による免制震装置の補修方法の有効性検証、新たな提案及び同定手法の研究」(薛松濤)
  • 科研費17K06652
    「建物の機能維持を目指した慣性質量効果を有する制振機構の実建物への適用に関する検証」(船木尚己)
  • 科研費18H01577
    「変位制御設計に有効な複素減衰を模擬する免震用高性能パッシブ減衰デバイスの開発」(薛松濤)
学内公募研究

令和2年度

  • 「深層学習を用いたアクティブ制御の自己最適化方法」(曹 淼)
  • 「構造ヘルスモニタリングのための変位観測システム及び同定手法の確立」(薛 松濤)

令和元年度

  • 「人工知能を用いた振動制御に関する研究」(曹淼)