講座情報

令和5年度「地域未来学」講座25 開催報告

日 時:12月9日(土)14:45~15:45
講 師:菊地 良覺(東北工業大学 特命教授)
タイトル:「地域住民協働による減災・防災の実践的活動「仙台八木山防災連絡会」について」

長年、地域デザインに携わって来られた菊地先生にご講義いただきました。

序盤は、工業デザインの先駆けであり、本学の教員でもあった秋岡芳夫先生と、コミュニティー生産方式(里もの生産方式)を実践してきた、東北工業大学第三生産技術研究室について紹介され、その研究手法や、東北・北海道地方の各地で行ってきた実践事例について話されました。

その後、八木山地域とそこで取り組まれている地域づくり活動について紹介された後、今回の主テーマである仙台八木山防災連絡会の活動について紹介されました。ここでは、小中高生などの若い世代から活躍している地域ボランティアについて触れ、動いていくたびに活動の輪が広がっていったと話されました。

後半は、災害弱者支援や災害時医療のための活動を行う「医療関連部会」、住民避難や世代間協力についての活動を行う「助け合い部会」、学校、青少年を中心とした防災活動・教育について活動する「若者部会」、まちづくりや耐震家屋にかかわる防災活動を行う「住みよいまちづくり部会」といった、連絡会の各部会の活動について紹介されました。

最後に、連絡会の課題として、世代間交流とそのためのツールの具現化、組織を維持するための世話役(企画運営する人材)の発掘、新たな教育メニューの必要性を挙げました。将来像として、常に世代間のつながりを持ちながら、生きていくための「知恵と技」の習得を行い、その知恵と技を次世代に掲げていける「生活技術力」のある地域になっていくのが望ましいと話され、講義を終えました。