講座情報

令和5年度「地域未来学」講座24 開催報告

日 時:12月9日(土)13:30~14:30
講 師:芝田 正(東北放送株式会社 技術局次長 兼 技術管理部長)
タイトル:「放送メディアの現在・過去・未来 ~より良いメディア環境の構築に向けて~」

東北放送で長年技術職に携わっている芝田様にご講義いただきました。

前半は、情報技術の進化やメディアの多様化といった、放送を取り巻く環境の変化に触れながら、NHKと民放の構成、東北放送の概要や、放送局における技術部門、放送に関する法規制など、メディアに関する話題を取り上げました。

中盤は、放送の変遷や現在放送局で行われている取り組みについて触れた後、総務省の放送に関する検討会やタスクフォースの議論内容を取り上げ、ネットワークインフラの効率化や、インターネット配信の推進という機運があることを示されました。近年、全世代のインターネット利用の平均時間は、テレビ(リアルタイム)視聴の平均時間を超えているというデータがあり、そこに向けた対策と言えます。

後半は、放送局の外部団体との連携事例として、キャラクターを使ったPR動画の制作や、報道取材、施設見学会の事例を紹介されました。連携活動においては、社会学の用語でもある「弱いつながり」が重要であるとし、「民間放送」としての視点、「メディアの在り方」の視点をもって連携を行っていると話されました。

まとめとして、放送メディアは「社会学」であり、自主規制が求められる中でも、「表現機関」としてのメディアの在り方はもっと自由でも良いのではないかと述べられました。営利企業としてのローカル地方局の将来を模索すべく、今後もメディア研究を進めながら、ジャーナリズムやメディア論といった学際的分野を深掘りしていきたい、また難しい時代ではあるが、より良いメディア環境・情報空間の構築に向けて、考え、行動していければと話され、講義を終えられました。