東北工業大学
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2021.12.16

令和3年度「地域未来学」講座29 開催報告

日時
12月11日(土)13:30~14:30
講師
日野 亮太 先生(東北大学 大学院理学研究科 教授)
タイトル
「東北地方太平洋沖地震の科学」

プレート境界型巨大地震発生のメカニズムに関する研究や海底地殻変動観測技術の開発をされている、東北大学 大学院理学研究科の日野 亮太先生よりご講義をいただきました。

はじめに、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)を振り返り、当時何が起きたのかを解説されました。
現在までに日本国内で観測された最大規模の地震であり、最大震度7は宮城県内で観測され、高い津波が広範囲へ押し寄せ甚大な被害を及ぼしました。
地震発生の仕組みとしては、プレート境界型地震であり、北アメリカプレートと太平洋プレートで起きた非常に大きな断層運動によって、最大で50mもの地形変化がありました。
また、津波被害を大きくした原因として、「リアス式の海岸線」と「広い平野部」という特徴によって、高い津波が奥深くまで侵入したことを挙げられました。
その後の研究によって、3.11以前には、地殻変動はあるものの揺れや津波は発生しない断層のゆっくり滑り(余効すべり)が頻発しており、3.11の本震へ深く関わっていたことが分かりました。

続いて、現在どのようなことが起こっているのかについての解説では、東北地方太平洋沖の 地震前、地震時、地震後には水平変動パターンに変化が起こっており、地殻の粘弾性などの特性によって、プレート境界の北部・中部・南部ではそれぞれ別方向へ地殻変動が起こっていることが示されました。
更に、過去の巨大地震の痕跡を調査する研究から、この2000年ほどの間に東北地方太平洋沖地震を含めおよそ3回の超巨大地震の痕跡があり、日本海溝中部では繰り返し巨大地震が起きていることが分かってきました。
その上で、東北沖地震と宮城県沖地震の関係についても解説があり、どちらもプレート境界型地震であるが、頻度に違いがあり、宮城県沖では約40年ごとに地震が発生していますが、そこで解消しきれなかった滑り残しが蓄積され、日本海溝付近で約600年おきに超巨大地震が発生していることが次第に明らかになってきました。
気になる東北沖・宮城県沖地震のこれからとして、滑りの範囲や固着の再開の想定から次の宮城県沖地震発生のサイクルに入っているとも言われています。

最後に東北沖地震の教訓をどう活かすかについて、最新の研究成果を紹介いただきました。
地震規模を正確に推定する技術が開発されている一方で、津波そのものを陸に到達する前に観測し推定する研究も進められています。
緊急地震速報の仕組みを津波に応用した、緊急津波速報システムやリアルタイムで浸水被害を予測する技術も開発が進んでいることを紹介されました。
このように、海域観測の強化が図られることで、地震・津波予測の高度化も進んでいることを示され、講義は終了しました。

東北大学理学部・理学研究科  SCIENCE CHALLENGERS
https://youtu.be/IJn6LuaRGJM

令和3年度「地域未来学」講座29 開催報告
令和3年度「地域未来学」講座29 開催報告
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